【2024年最新】中古不動産の耐用年数一覧|種類別で徹底解説!|小島理恵

中古不動産

中古不動産の購入を検討している方にとって、耐用年数は物件の価値や維持費、税金に大きく影響する重要な要素です。今回は中古不動産の購入における適切な判断材料を紹介していきます。

この記事も前回同様、中古不動産売買担当を12年間続けてきた小島理恵からのアドバイスとして読んで頂ければと思います。

中古不動産の耐用年数とは

中古不動産の耐用年数とは、建物が使用可能な期間を指します。耐用年数には、法定耐用年数実質耐用年数の2種類があります。それぞれの内容と違いを理解することが重要です。

法定耐用年数とは

法定耐用年数は、税法で定められた建物の減価償却期間です。所得税法施行令や法人税法施行令に定められており、建物の構造や用途によって異なります。減価償却とは、固定資産の取得価額を耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のことです。法定耐用年数は、あくまでも税務上の計算に用いられるものであり、建物の実際の寿命とは必ずしも一致しません。例えば、木造の賃貸住宅であれば法定耐用年数は22年、鉄筋コンクリート造の賃貸住宅であれば47年と定められています。

実質耐用年数とは

実質耐用年数は、建物が実際に使用可能な期間のことです。建物の構造や材質、メンテナンス状況、使用状況、立地条件など様々な要因によって変化します。法定耐用年数よりも長く使用できる場合もあれば、短くなる場合もあります。不動産投資や売買においては、実質耐用年数を考慮することが重要です。例えば、適切なメンテナンスを行うことで、実質耐用年数を延ばすことができます。

中古不動産の種類別耐用年数一覧

中古不動産の耐用年数は、建物の構造によって大きく異なります。主な構造別に耐用年数を見てみましょう。ただし、ここで示すのはあくまで法定耐用年数であり、実際の建物の寿命を示すものではありません。実際の寿命は、メンテナンス状況や立地条件など様々な要因によって変化します。

木造住宅の耐用年数

木造住宅は、構造の種類によって耐用年数が異なります。適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数以上に長く住み続けることも可能です。

構造法定耐用年数
木造軸組工法22年
ツーバイフォー工法20-80年
プレハブ工法22年

参考:国税庁|耐用年数表

鉄骨造住宅の耐用年数

鉄骨造住宅は、木造住宅に比べて耐用年数が長くなります。軽量鉄骨造と重量鉄骨造では耐用年数が異なるため注意が必要です。

構造法定耐用年数
軽量鉄骨造19年
重量鉄骨造34年

軽量鉄骨造は19年、重量鉄骨造は34年と耐用年数に大きな差があります。

参考:国税庁|耐用年数表

鉄筋コンクリート造住宅の耐用年数

鉄筋コンクリート造住宅は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、高い耐久性と耐火性を持ちます。RC造とSRC造では耐用年数が若干異なります。

構造法定耐用年数
RC造(鉄筋コンクリート造)47年
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)47年

RC造とSRC造はどちらも法定耐用年数は47年です。

参考:国税庁|耐用年数表

マンションの耐用年数

マンションの耐用年数は、構造によって異なります。鉄筋コンクリート造が一般的ですが、木造や鉄骨造のマンションも存在します。マンションの場合は、区分所有法に基づき、共用部分の維持管理が重要になります。

構造法定耐用年数
RC造(鉄筋コンクリート造)47年
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)47年
木造22年
軽量鉄骨造19年
重量鉄骨造34年

参考:国税庁|耐用年数表

法定耐用年数はあくまで税法上の計算に用いられるものであり、建物の実際の寿命とは異なることを理解しておくことが重要です。 適切なメンテナンスを行うことで、耐用年数を超えて長く住み続けることが可能です。

中古不動産の耐用年数に影響する要因

中古不動産の耐用年数は、建物の構造や築年数だけでなく、様々な要因によって影響を受けます。購入を検討する際には、これらの要因を理解し、将来的な修繕費用や資産価値の変化を予測することが重要です。

建物の構造

建物の構造は、耐用年数に大きく影響します。一般的に、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は、木造や鉄骨造よりも耐用年数が長い傾向にあります。これは、RC造やSRC造が、火災や地震などの災害に強い構造であるためです。

   ・木造

木造は他の構造に比べて耐火性や耐久性が低いため、適切なメンテナンスを行わないと耐用年数が短くなる可能性があります。シロアリ被害や腐朽にも注意が必要です。

  ・鉄骨造

木造に比べて耐火性や耐久性は高いですが、錆びが発生しやすいという欠点があります。定期的な防錆処理を行うことで、耐用年数を延ばすことができます。

  ・鉄筋コンクリート造(RC造)

高い強度と耐久性を持ちます。耐火性や耐震性にも優れてます。

 ・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄骨造と鉄筋コンクリート造を組み合わせた構造です。RC造よりもさらに強度が高いです。

立地条件

立地条件も、建物の耐用年数に影響を与えます。海に近い地域では、塩害による腐食のリスクが高く、建物の劣化が早まる可能性があります。また、多雪地域では、積雪による屋根の損傷や雨漏りのリスクがあります。これらの地域では、より入念なメンテナンスが必要となるでしょう。

立地条件影響対策
海岸沿い塩害による腐食防錆塗料の使用、定期的な清掃
多雪地域積雪による屋根の損傷屋根の強化、雪下ろし
山間部湿気による腐朽、害虫被害防湿対策、防虫処理

使用状況

建物の使用状況も、耐用年数に影響する要因の一つです。適切な換気を行わず、湿気が多い状態が続くと、カビや腐朽が発生しやすくなり、建物の劣化を早める可能性があります。また、過度な荷重をかけたり、不適切なリフォームを行うことも、建物の寿命を縮める原因となります。適切な使用と管理を心がけることで、建物の耐用年数を維持することができます。

  • 適切な換気の実施
  • 定期的な清掃
  • 専門家によるリフォーム

これらの要因を総合的に考慮することで、中古不動産の真の価値を判断し、より適切な購入を行うことができます。

中古不動産を購入する際の注意点

中古不動産の購入は、新築物件の購入とは異なる注意点があります。

耐用年数がそのひとつです。

・耐用年数の確認方法

中古不動産の耐用年数は、建物の構造や築年数によって異なります。法定耐用年数はあくまで税法上の基準であり、実際の建物の寿命とは異なる場合があります。そのため、法定耐用年数だけでなく、実質耐用年数も考慮することが重要です。建物の状態をしっかりと確認し、必要な修繕費用や今後のメンテナンス費用についても考慮に入れましょう。購入前に専門家による建物診断を受けることも有効な手段です。

まとめ

耐用年数には、税務上の計算に用いる法定耐用年数と、建物の実際の寿命を示す実質耐用年数の2種類があります。

積極的に不動産売却に対する行動を続けていきましょう!

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