不動産を相続や売買すると、不動産名義を変更する必要があります。
不動産名義変更は、最初から最後まで自分で完了させることも可能です。
とはいえ少々面倒な作業にはなるので、専門家である司法書士に依頼をする人も珍しくありません。
▼この記事でお伝えすること
- 不動産名義変更はどんなときに必要?
- 不動産名義変更に必要な書類
- 不動産名義変更にかかる費用
不動産の名義変更ができるのは原則、不動産登記をしている本人あるいは相続人だけです。
たとえ家族であっても、名義人以外の人が変更することはできません。
この記事では、これから不動産名義人変更をしたい人に向けて、どんなときに不動産名義人変更が必要なのか、必要書類や費用までご紹介します。
★この記事の筆者
12年以上のあいだ売買担当をしている、小島理恵です。
このサイトでは、不動産売買時に担当したお客様からよくいただくご質問を共有しています。
より多くのかたにお力添えができたら幸いです。
不動産名義変更は依頼すべき?自分でできない場面とは
不動産名義変更は、全て自分でできる作業です。
専門家に依頼をしなくてはいけないなどのルールは、特にありません。
ただし、専門家に依頼をした方が良い場面もあります。
- 自分で対応する時間がない場合
- 不動産売買をする場合
- 親族間で仲が良くない場合
- 不動産に抵当権がある場合
- 仲介者がいないと取引が不安な場合
上記に当てはまる場合は、不動産名義変更を自分でするのはおすすめできません。
不動産名義変更は基本的に、人から人へと不動産の所有者が移動するため、センシティブな取引になります。
本人同士がやりとりをするよりも、第三者として専門家が仲介に入ることで、安心して取引が完了できる場面が多いです。
不動産名義変更はいつ必要?主な4つのパターン
不動産名義変更が必要になる場面として一般的なのは、下記の4パターンです。
①売買
②相続
③贈与
④財産分与
それぞれのパターンについて、詳しくお伝えします。
不動産名義変更①:売買
不動産売買をして不動産の持ち主が売主から買主へ変更になるとき、不動産名義変更をすることで「新しいも持ち主は買主である」ということが証明できるようになります。
基本的には売主と買主が共同で名義変更を行うのですが、行政書士に依頼をすることで代行してもらえます。
素人が不動産名義を変更しようとすることで、「代金を払ったのに実は名義人が変わっていなかった」などのトラブルが発生することがあるため、個人間での取引は危険ともいえます。
行政書士を雇う場合は、買主が費用を負担するのが一般的です。
不動産名義変更②:相続
土地の持ち主が亡くなると、相続するかたが不動産名義人変更の対応をすることになります。
不動産を相続するとき、持ち主が亡くなっても自動的に名義人が相続人に変わるわけではなく、相続登記をする必要があります。
遺産分割協議書や戸籍抄本などの書類を集めて手続きをする必要があるため、かなり面倒な作業になります。
司法書士にまかせてしまう人も多いです。
不動産名義変更③:贈与
贈与とはつまり、不動産の名義人を変更することで、プレゼントされるようなものです。
財産を生前に子供や孫へ渡しておこうとする場合などに選ばれます。
ただし、例え不動産をプレゼントする場合にも、税金の支払いが発生します。
不動産名義変更④:財産分与
夫婦が離婚を原因に、財産をわけあうとき、不動産名義人変更が発生することがあります。
財産分与とは、結婚をしてから発生した財産を夫婦で分け合うことを意味します。
必ずしも不動産名義が変更されるとは限りませんが、不動産が財産分与の対象となるときには、分与する側とされる側が同時に登記をする必要があります。
不動産名義変更時に必要な書類とは?パターン別に紹介
不動産名義変更のとき必要な書類は、上記でご紹介したパターンごとに異なります。
<パターン> | <必要書類> |
売買 | ・登記識別情報 ・住民票 ・印鑑証明書(購入者・販売者それぞれ) ・固定資産評価証明書 |
相続 | ・登記識別情報 ・住民票 ・印鑑証明書 ・固定資産評価証明書 ・登記原因証明書 |
贈与 | ・登記識別情報 ・住民票 ・印鑑証明書 ・固定資産評価証明書 ・登記原因証明書 |
財産分与 | ・登記識別情報 ・住民票 ・印鑑証明書 ・固定資産評価証明書 ・登記原因証明書 ・戸籍謄本 |
なお、相続の場合は相続発生を知ってから10ヶ月以内、財産分与は離婚後2年以内までに名義人変更をしなくてはいけません。
余裕を持って必要書類を集め始めましょう。
不動産名義変更に必要な費用とは?
不動産名義変更時には、主に3種類の費用がかかります。
- 登録免許税
- 書類の取得費用
- 各種税金
さらに、司法書士へ依頼をする場合には報酬を支払う必要があります。
総合でいくらかかるかは、対象の不動産によって大きく変わるため一概には言い切れません。
不動産名義変更はすみやかに行おう!
不動産名義変更が必要になるタイミングは多いものではありませんが、もし必要になる場合にはすみやかに終わらせてしまいましょう。
特に相続と財産分与が発生するときは、期限に気をつけてくださいね。
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